最近、電子契約、電子署名で契約書を締結する機会が多くなりました。
そこで、電子契約、電子署名についてまとめてみました。
目次
電子契約の法的な有効性
2020年(令和2年)7月および同年9月に、総務省・法務省・経済産業省の連名で、クラウド型の電子契約サービスに関する法的解釈を示す「利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A(電子契約サービスに関するQ&A)」が公表されました。
・利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A(令和2年7月 17 日付)
・利用者の指示に基づきサービス提供事業者自身の署名鍵により暗号化等を行う電子契約サービスに関するQ&A(電子署名法第3条関係)(令和2年9月 14日付)
2021年(令和3年)9月にデジタル庁が発足したことにより、この電子契約サービスに関するQ&Aの所管は、デジタル庁に移管されています。
2022年3月現在では、電子契約の法的有効性に関し、電子署名法の主務官庁となったデジタル庁唯一の公式見解文書です。
この電子契約サービスに関するQ&Aにより、クラウド型電子署名サービスについても押印のある契約書と同等の法的効力が確認され、政府を挙げての電子契約の普及促進が進んでいます。
電子契約とは?電子署名との違い
電子契約とは、電子文書に電子署名をして取り交わされる契約のことをいいます。
従来の紙での契約と比較してみると業務効率化、コスト削減を実現することができます。
電子契約とは契約書を電子化、デジタル化する行為のことであり、一方、電子署名とは電子契約の中で電子文書が本人により作成されたことを表す役割を果たすものです。
電子署名では電子証明書の秘密鍵を利用して署名データという形で電子的な結果が残ります。
電子契約サービスは法人のみならず、個人でも使用可能です。
紙の契約と電子契約の違い、比較表
紙の契約と電子契約を比較表にまとめました。
種類 | 紙の契約 | 電子契約 | |
---|---|---|---|
形式 | 紙の書面 | 電子データ(PDF) | |
証拠力 | 押印 | 印鑑と印影 | 電子署名 |
本人性の担保 | 印鑑証明書 | 電子証明書 | |
完全性の担保(改ざん防止) | 契印・割印 | タイムスタンプ | |
事務処理 | 送付 | 郵送 or 持参 | インターネット通信 |
保管 | 書棚 | サーバー | |
印紙 | 必要 | 不要 |
電子契約においては、印紙が不要になるのでコスト削減になります。
電子契約のやり方、流れ
電子契約のやり方、流れはとてもシンプルです。
基本的に電子契約サービスを使って契約書を送受信します。
簡単なやり方、流れは以下の通りです。
1. パソコンで契約書を作成する。PDFファイルにする場合が多いです。
2. 電子契約サービスの中で、インターネット経由で相手にPDFの契約書を送信する。
3. 電子契約サービスの中で、相手が契約内容の確認と承認を行う。
4. 電子契約サービスの中で、契約締結が完了した契約書を電子データとして保存する。
電子契約された契約書は電子契約サービスの中に保存されます。
電子契約のメリットとデメリット
電子契約のメリットとデメリットをまとめました。
メリット
電子契約のメリットは以下の通りです。
1. 事務労力・事務経費の削減できる
2. 印紙税を削減できる
3. 契約締結までのリードタイムを短縮できる
4. 保管・管理の効率化が可能となる
5. 更新の漏れを防げる
デメリット
電子契約のデメリットは以下の通りです。
1. 契約する相手方の理解や協力が必要となる
2. 社内の業務フローの変更が必要となる
3. 電子契約サービスへの導入費用がかかる
電子契約サービスの比較
よく使われている電子契約サービスをまとめました。
クラウドサイン
クラウドサインは、弁護士ドットコムが運営している国内最大の電子契約サービスです。
↓クラウドサインの公式サイトはコチラ
お試しフリープランだと、1ユーザー使用可能で月間5件まで送信可能です。
GMOサイン
GMOサインは、GMOがやっている電子契約サービスです。
↓GMOサインの公式サイトはコチラ
お試しフリープランだと、1ユーザー使用可能で月間5件まで送信可能です。
ドキュメントサイン (DocuSign)
世界の180か国以上で電子契約サービスを提供しているDocuSign Inc.(2003年設立)により運営されており、海外取引を行う場合におすすめの電子契約サービスです。
↓ドキュメントサインの公式サイトはコチラ
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