映像出力ポートである、HDMIとDisplayPort。
よく出てくるんですが、どう違うんでしょうか?
目次
HDMIとは
HDMI(エイチ-ディー-エム-アイ)とは、主にテレビとハードディスクレコーダー、ゲーム機などの間を接続する際に用いられる、映像や音声などを1本のケーブルにまとめて送ることのできる通信規格の一種です。
HDMIは、High-Definition Multimedia Interface(高精細度マルチメディアインターフェース)の略です。
映像や音声などをデジタル信号で伝送する通信インタフェースの標準規格であり、2002年12月にSilicon Image、ソニー、東芝、トムソン、パナソニック、日立製作所、フィリップスの7社が共同で規格を策定しました。
HDMIにはTMDSと呼ばれるシリアル伝送方式が使用されています。
HDMIのバージョン 1.4, 2.0
HDMI 1.0 (2002(平成14)年12月)
最初の仕様。音声は主としてステレオのみ対応だった。
HDMI 1.1
マルチチャンネルオーディオ対応し、CPPMで保護されたDVD-Audioにも対応
HDMI 1.2 (2005(平成17)年8月23日発表)
- SACDのDSD(Direct Stream Digital)信号の伝送を可能とした。
- パソコンでの使用を想定した機能強化。
- HDMI CEC(Consumer Electronics Control)対応
HDMI 1.3 (2006(平成18)年6月22日発表)
PLAYSTATION 3で対応するのが、このタイプである。
- 1リンク時の帯域を従来の165MHz(4.95Gビット/s)から340MHz(10.2Gビット/s)に高速化し、約倍速とした。
- 色深度を、従来のRGBで24ビットに加え、30/36/48ビットまでに対応した。
- IECの動画用拡張色空間の国際標準「xvYCC」に対応。現行放送の色空間規格より約1.8倍の色彩が表現できるとされている。
- Blu-ray DiscやHD DVDで採用された新ロスレス音声フォーマット「ドルビーTrueHD」と「DTS-HD」に対応。
- 映像と音声の同期を取るための「リップシンク」機能に対応。
- HDカムコーダーやデジタルカメラ用の、mini HDMI端子(Type C)が規格に追加された。
HDMI 1.4 (2009(平成21)年5月28日発表)
- ケーブルにデータチャンネルを付加し、100MbpsのEthernet接続(HEC機能)に対応
- オーディオ リターン チャンネルの追加で、HDMIケーブル経由でのオーディオのアップストリーム接続に対応
- 3D映像に対応
- 3840×2160(24Hz/25Hz/30Hz)や4096×2160(24Hz)など高解像度に対応
- デジタルカメラ用の色空間であるsYCC601、Adobe RGB、AdobeYCC601に対応
- ピン数は19ピンで同じだが小型化されたMicro HDMI端子(Type D)対応
- 自動車用接続システム
HDMIケーブルは都合5種類になった。ただし映像を写すだけなら従来からのケーブルはHDMI 1.3用と同じで仕様変更はされていないので、そのまま利用できる。HDMI 1.4で新規対応した3D映像も、ケーブル自体はHDMI 1.3からのケーブルでそのまま利用可能。
HDMI 1.4a
放送コンテンツの3D映像フォーマットを規定。動画/ゲーム/放送の各分野での必須フォーマットが決定した。
- 動画 ‐ フレームパッキング方式(1080p@23.98/24Hz) 必須
- ゲーム ‐ フレームパッキング(720p@50または59.94/60Hz) 必須
- 放送 ‐ サイドバイサイド方式(1080i@50または59.94/60Hz)とトップアンドボトム方式(720p@50または59.94/60Hzと、1080p@23.98/24Hz) 必須
4種類の参考フォーマットも仕様書に記載(Appendix H)
- フィールドオルタネイティブ方式(Field Alternative)
- ラインオルタネイティブ方式(Line Alternative)
- L + Depth
- L + Depth + Graphics + Graphics depth
HDMI 2.0 (2013(平成25)年9月4日発表)
帯域の拡大をしたもの。
- 4Kで、50p/60pに対応
- アスペクト比21∶9の映像に対応
- 32チャンネルまでのマルチチャンネルオーディオ対応
- オーディオサンプリングレートは、1,536kHzまで対応
- ダイナミックリップシンク(オーディオ/ビデオ)対応
- 同画面の2系統同時ビデオ出力に対応
- 同音響の4系統同時オーディオ出力に対応
- HDMI CEC(Consumer Electronics Control)の拡張
HDMI 2.0a (2015(平成27)年4月8日)
ハイダイナミックレンジ映像伝送に対応
HDMI 2.1 (2017年1月4日)
帯域幅は48 Gbpsまで拡張され、非圧縮で8K/60Hz(YCbCr4:2:0)に対応
DisplayPortとは
DisplayPort(ディスプレイポート)は、液晶ディスプレイなどのデジタル・ディスプレイ装置の為に設計された映像出力インタフェースの規格。
DisplayPortはそれまでのDVIを置き換える目的で開発され、2006年5月の最初の規格である1.0が、VESA (Video Electronics Standards Association) によって発表され、2008年1月にはVersion 1.1aが策定されました。
音声信号や汎用データの転送も可能ですが、音声信号伝送に関してはオプションである為、機器によって対応/非対応のものがあります。
DisplayPortの伝送方式は、パケット方式です。
DisplayPortには、1.2から従来のシングルモード以外にデュアルモードが作られました。
デュアルモードを使うと、この端子からHDMIの信号、つまりは「TMDS」信号を送り出すことが出来ます。
現在販売されているほどんとの機種に搭載されている端子は、デュアルモードです。
DisplayPortのバージョン 1.2, 1.4
1.0 2006年5月
最初のバージョン
1.1 2007年3月
1080/60pや4K/30pに対応した。
1.2 2009年12月
4K/60pや5K/30pに対応した。
デュアルモードのサポート、マルチストリーム転送 (MST)、MSTトポロジー管理のサポート、Fast AUX-CH、3D映像のサポート、広色域サポート、miniDisplayportのサポート
1.3 2014年9月
5k/60pや8K/30pに対応した。
ピクセルサブサンプリング4:2:0のサポート
1.4 2016年3月
HDR(High Dynamic Range)や圧縮での8K/60pに対応した。
ディスプレイストリーム圧縮(DSC)1.2、HDR静的/動的メタデータ転送、前方誤り訂正、Rec.2020色空間のサポート、拡張オーディオ転送: 32チャンネル 1536 kHz/24bit までのオーディオストリームに対応、USB TYPE-Cのサポート
HDMIとDisplayPortの互換性
HDMIがシリアル伝送方式なのに対して、DisplayPortはパケット伝送方式です。
従って、DisplayPortとHDMIは、互換性は全くありません。
一方で、DisplayPortからHDMIへは各種変換ケーブルが大量に販売されています。
この理由は、DisplayPort側がHDMIに合わせることが可能なため、変換することができています。
簡単に言うと、デュアルモードのDispalyPortの端子はHDMIとして利用可能な端子なのです。なんとDisplayPortの出力に、変換ケーブルを挿すとHDMIの出力になるのです。
なんと賢い、デュアルモードのDisplayPort。
DisplayPortからHDMIへの変換ケーブル
DisplayPort1.2でのデュアルモードでは、HDMI1.4の出力が行われます。
これが現在最も多くの製品が対応しているようです。
↓下記のようなケーブルです。
これはこれで、仕様の範囲では正しく動作します。
DisplayPort1.3以降はHDMI2.0の出力対応が必須となっています。
この変換を行うケーブルが見つかりません。
まだ発売されていないのではないでしょうか?
DisplayPortからHDMI 変換 映らない、劣化
DislayPortからの出力が1.4などの場合、従来の「DisplayPort⇒HDMIの変換ケーブル」を使って変換すれば映像が映らない、劣化するなどが起こると思われます。
要は、DisplayPort 1.4のデュアルモードでの出力を、「DispalyPort 1.2⇒HDMI 1.4の変換ケーブル」で変換しても映像が劣化するということです。
一例では、VRヘッドセットであるHTC VIVE Proは、DisplayPortからの出力のみをサポートしており、HDMIからの出力をDisplayPortに変換した場合、映像が映りません。
これは、VIVE ProがDisplayPort 1.4からの出力のみ、対応しているのだと思われます。
HDMIからDisplayPortへの変換ケーブル
HDMIからDisplayPortへの変換ケーブルはなかなか見つかりません。
サンワサプライから出ている 「AD-DPFHD01」ぐらいでしょうか。
「AD-DPFHD01」「AD-DPFDV01」は、それぞれHDMI、DVI出力コネクタをDisplayportへ変換できるアダプタです。
「AD-DPFHD01」はHDMI出力ポートを搭載したパソコン本体からDisplayPort入力端子を持つディスプレイ・テレビへ映像出力が可能です。HDMI1.4の出力ポートであれば最大4K(3840×2160@30Hz)の出力に対応し、音声出力にも対応しています。サイズはメスコネクタ部約幅34.0mm×奥行56mm×高さ16.5mmで、ケーブル長は14cmです。
「AD-DPFDV01」はDVI出力ポートを搭載したパソコン本体からDisplayPort入力端子を持つディスプレイ・テレビへの映像出力が可能です。DVIシングルリンクの出力ポートであれば最大1920×1200(@60Hz)の出力に対応しています。音声の出力には対応していません。サイズはメスコネクタ部約幅34.0mm×奥行56mm×高さ16.5mmで、ケーブル長は13cmです。
ご使用になる環境や用途に応じてお選びください。
このケーブルも、USBまたはACアダプターで電源供給する必要があります。
何かしらの変換プログラムが動いているんでしょうか?
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