ファーウェイ事件が世間を騒がせていますね。
さて、どんな問題なのか解説してみました。
ファーウェイとは
ファーウェイ、正式名称ファーウェイ・テクノロジーズは、中華人民共和国深圳市に本社を置く通信機器メーカー。
漢字略称:華為技術
英語: Huawei Technologies Co. Ltd.
ファーウェイは、1987年に携帯電話のインフラ整備に必要な通信機器を開発するベンダーとして中国・深圳に設立された、世界有数のICTソリューション・プロバイダー。
最近は、SIMフリースマートフォンなど、端末を手がけるまでに急成長を遂げました。
売上高は、約10兆4,366億円(2017年度)。
読み方も難しいので調べてみました。
ちなみに、日本の企業のトップ10は次の通りです。
1 トヨタ自動車 27兆5971億9300万円
2 本田技研工業 13兆9992億円
3 日本郵政 13兆3265億3400万円
4 日産自動車 11兆7200億4100万円
5 日本電信電話 11兆3910億1600万円
6 日立製作所 9兆1622億6400万円
7 ソフトバンクグループ 8兆9010億400万円
8 かんぽ生命保険 8兆6594億4400万円
9 イオン 8兆2101億4500万円
10 ソニー 7兆6032億5000万円
ファーウェイは日本では第5位にあたる規模で、日立やソフトバンクよりも売上高が上なんです。
いかに大規模な企業であるかがわかると思います。
ファーウェイ事件とは
ファイウェイ事件とは次の通り。
12月1日、カナダのバンクーバー空港で、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長(46歳)が逮捕された。トランジットで立ち寄った空港で、アメリカの要請を受けたカナダの警察当局に身柄を拘束されたのである。
ファーウェイCFO(=創業者の娘)を逮捕
アルゼンチン・ブエノスアイレスで、トランプ大統領と習近平国家主席が、米中首脳会談を行ったのが、12月1日。マーケットは追加関税の延期に「米中の緊張緩和か」ということで、楽観的な反応を示した。一方では、中国通信機器大手ファーウェイの孟晩舟CFO(最高財務責任者)が逮捕されていたわけだ。
この巨大企業ファーウェイが、なぜ米中の争いの渦中にあるのか?
話はアメリカの国防装備から始まった。アメリカの軍事・諜報部門が、ファーウェイの機器を使用することで、情報を抜き取られる危険性を指摘し始めたのが発端である。
つまり、ファーウェイの通信設備を導入して使用すると、機密情報が中国に筒抜けとなるということなのである。
ところが、一般企業や一般人は知らないので、アメリカ政府が啓発を行ってきたという経緯がある。要するに、「ファーウェイ製品は使うな」ということである。
こうした中で、ファーウェイ創業者・任正非氏の娘であり、ファーウェイのCFO(最高財務責任者)の孟氏が逮捕されたということなのだ。
中国の通信機器大手「華為技術」(ファーウェイ)がイランに対する金融制裁に違反し、巨額資金をイランから送金させていた疑いがあることが、米ニューヨーク連邦地検の訴追資料から明らかになった。連邦地検は、ファーウェイの孟晩舟モンワンジョウ・最高財務責任者(CFO)(46)が不正取引に関与したとみており、カナダ当局から身柄の引き渡しを受け、詐欺容疑などで立件する方針だ。
カナダの裁判所に提出された連邦地検の訴追資料などによると、ファーウェイは香港の関連会社を通じて制裁対象のイランと不正取引を続け、ニューヨークなどの金融機関を通じて2010~14年だけで少なくとも約1億ドル(約112億円)を手にしていた。
金融機関は、取引が制裁違反と指摘したが、孟氏らは、関連会社がファーウェイとは無関係で、取引は適法と虚偽の説明をしたという。ファーウェイは昨年、連邦地検から資料提出を命じられ、当局の動きを察知した。孟氏は米入国を回避していた。訴追資料によると、中国や香港発行のパスポート(旅券)を計7通保有し、海外出張で使い分けていたという。
国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)が米国の要請でカナダで拘束されたことを巡り、ロイター通信は6日、米司法当局がファーウェイについて、対イラン経済制裁を回避する金融取引に関与した疑いで捜査していると報じた。米当局は2016年から捜査に着手し、ファーウェイが英金融大手HSBCホールディングスを介して違法な金融取引に関わったとみて調べているという。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)によると、HSBCがファーウェイによるイランとの疑わしい取引の情報を米当局に報告した。HSBCは情報提供で協力したため、今回の捜査対象に含まれていない。
HSBCは12年、イランなど米国による経済制裁国に関連する取引への関与を認め、米当局に約19億ドル(約2140億円)の罰金を支払うことで合意。刑事訴追を免れる代わりに、資金洗浄(マネーロンダリング)など違法性が疑われる取引を米当局に通報することを義務付けられた。
ファーウェイの孟氏はカナダ当局に1日にバンクーバーの空港で拘束され、米当局が身柄引き渡しを求めている。米国とカナダは犯罪容疑者の引き渡し条約を結んでおり、米当局から要求があれば、カナダの裁判所は犯罪容疑の証拠を調査した上で身柄引き渡しの可否を決める。カナダのトルドー首相は6日、モントリオールで記者団に「数日前に(孟氏拘束の)報告を受けたが、政治的な関与や介入はない」と述べ、捜査当局の判断と強調した。一方、中国政府は「人権侵害だ」などとして、カナダと米国に孟氏の即時釈放を求めている。
ファーウェイ事件を受けて日本の対応
ファーウェイ事件を受けて日本も対応を行っています。
政府は、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の製品を政府調達から事実上、排除する方針を固めた。2社が中国情報機関との結び付きを指摘されていることを踏まえた。10日にも各府省庁のサイバー攻撃対策担当者による会議を開き、確認する。ただ日中関係に配慮して2社を名指しせず、申し合わせの内容は「安全保障上の観点を考慮する」といった表現にとどめる方向だ。政府関係者が7日、明らかにした。
米国政府は中国側がサイバー攻撃に関与していると非難し、対抗措置を強めており、日本も同盟国として歩調を合わせる必要があると判断したとみられる。
国内大手携帯電話3社、NTT docomo・KDDI・SoftBankが、基地局などの通信設備からHuaweiとZTEを除外する方針を固めたと、共同通信が報じました。
さらに基地局について使用中の機器に加えて次期5Gへの採用も見送るとのこと。かなり徹底したものとなりそうです。
ここで、世界の無線インフラ (= 基地局?)の2017年のシェアは次の通り。
ファーウェイを筆頭にZTEも4位にランクインしていますね。
別の調査によると、世界の携帯基地局市場シェア(2018年)は次の通り。
1位「ファーウェイ」28%
2位「ノキア」27%
3位「エリクソン」23%
4位「ZTE」13%
いずれにせよ、携帯電話のインフラで、ファーウェイ、ZTEはかなりのシェアを持っていることが分かりますね。
ファーウェイ事件、アメリカ政府からの見立て予想
すでにファーウェイ製品を分解すると不審なものが見つかったとの報告もあります。
情報漏えいやサイバー攻撃が懸念されるHuawei(ファーウェイ)製品について、日本政府が分解検査したところ、不審なものが見つかったことが分かった。
余計なものとは一体…。
日本政府はすでに政府機関や自衛隊でファーウェイ製品を使うことを禁止し、さらにファーウェイの部品が使用されている日本製品も使用を禁止する方針を固めた。
決定にあたっては当然ファーウェイの危険性を調査しているだろうから、この「余計なもの」というのが安全保障を脅かす重大なものである可能性が高い。
出典:https://twitter.com/ExpressE2331/status/1070869810781638657
アメリカ政府はすでにファーウェイなどの中国製品は危険だと何度も警告しており、政府機関での使用を厳しく規制し始めている。まだ一般人の使用については言及されていないが、安いからという理由でファーウェイを選んでしまうのはやめたほうがいいだろう。
そもそもファーウェイの創業者である任正非CEOは人民解放軍の出身だ。
資産は推定1億2千4百万ドルで、中国のトップ富豪ランキング400で190位にランクインしている。ファーウェイについてはただの民間企業ではなく、事実上、中国政府の支配下にあるとみられ、その危険性が囁かれている。
以上を総合して考えるにファーウェイにバックドアが仕掛けられていたり、サイバー攻撃に利用されたりする恐れがあるという指摘はあながち間違いではないだろう。
不可解なのはファーウェイがこれまで一切反論していないこと。ここまでの騒ぎになっているのだから何か声明を発表してもよさそうなのに沈黙しているのはなぜなのか。やましいことがあるからコメントできないというのが実際のところだろうか。
基地局のインフラを握れば実質、通話記録が盗聴されるリスクがありますね。
実際の真偽はさておき、アメリカ政府としてはあらかじめリスクを回避しておきたいので、このような措置に出たのでしょう。
さて、中国もこのままでいないでしょうから、次にどんな手段で対抗してくるのでしょうか。
日本で売られているファーウェイのスマホはどうなる?
コンシューマーにとって最も心配なのは、ファーウェイ製のスマートフォンがどうなるか?でしょう。
安価で高性能、見た目はiPhoneそっくりの
Huawei mate P20 lite
Huawei mate P20 Pro
Huawei nova 3
基地局問題と、端末であるスマートフォンは一見無関係の問題ではあるのですが。。。
今までは人気だったけれど、今後、逆風にさらされるのは想像に難くない。
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