1月15日は「バルス祭り」なんだそうな。
NTTデータがツィートの全量をリアルタイム計測するそうです。
1月15日の「バルス祭り」、ツイート全量をリアルタイム計測、NTTデータが実況中継
株式会社NTTデータは、1月15日の「バルス祭り」を実況中継すると発表した。同日夜にテレビ放送されるアニメ「天空の城ラピュタ」の放送終了まで、Twitterでつぶやかれる「バルス」を含むツイートの量をリアルタイムで計測。同社の運営するニュースサイト「イマツイ」や、イマツイのTwitterアカウントおよびFacebookページで伝える。直近の過去2回のバルス祭りとあわせ、3回連続で1秒たりともずれずに「バルス」とついぶやいたTwitterアカウントも計測する予定だ。
バルスとは?
バルスを知らない人のために解説しておきます。
アニメ『天空の城ラピュタ』の「滅びの言葉」です。
(画像: スタジオジブリ 「天空の城ラピュタ」 © 1986 二馬力・G、http://www.ghibli.jp/30profile/000158.html )
あらすじは次の通りです。
「天空の城ラピュタ」は1986年に公開されたアニメ映画ですが、公開当初よりもむしろ2000年代以降に人気が出てきています。
主人公の少年パズーは、天空に浮かぶと言われる城・ラピュタの発見について、詐欺師の汚名を着せられた父のためにラピュタを見つけようとしている少年です。
一方、少女シータは、ラピュタの王族の血を引く娘で、ひょんなことからパズーと知り合い、様々な困難をパズーと共に立ち向かい、ついにラピュタを見つけます。
ところが、シータはラピュタの中心部にある巨大な飛行石のある指令室で、ムスカに捕まってしまいます。
ムスカは、シータと同様にラピュタの王族の血を引いていて、ラピュタを乗っ取ろうとしている悪者です。
追い詰められたパズーとシータは、ムスカから
「3分間待ってやる」と言われます。
そして、3分後、パズーとシータは手を合わせて、ラピュタの滅びの呪文
バルス
を叫びます。
さて、どうなったでしょうか。
バルスをソフトウェア的に考えてみる
バルスをソフトウェア的に考えてみると、どうも奇妙に感じます。
素朴な疑問は、「この呪文って、作った人テストしたんでしょうか?」
ソフトウェア開発では、典型的な開発手法であるウォーターフォールモデルの場合、テスト工程は、要件定義、システム設計、開発(プログラミング)の後に訪れる工程です。
(画像: http://qiita.com/ymiyamae/items/c5937520fc8af43ef663)
バルスをソフトウェア的に作った場合、およそ次のようになると思います。
要件定義:
「バルス」と叫ぶとラピュタが破壊される
システム設計:
入力:バルスと叫ぶ
システム内部:いろいろ。。。想像を絶する
出力:無となる
開発:
システム設計を満たすようにコーディング?
ラピュタ人はアセンブラを使っていたのだろうか?あるいはJavaか?C#か?Goか?Swiftか?
テスト:
テスターが「バルス」と叫んでみる
成功すれば、ラピュタは破壊される
失敗すれば、ラピュタは破壊されないか、中途半端に破壊される
テストに成功するまで、開発の手直しを繰り返し、最後、テスターが何度「バルス」と叫んでもラピュタが破壊されることを確認する。
検収、納品:
・・・だれに?
運用、保守:
シータなど、バルスを知っている人が時々、「バルス」と叫ぶ。
ここまで考えてみて、最大の難点は、テストフェーズです。
テストのタイミングでは大量のラピュタが必要になりますが、果たして、用意できたのでしょうか?
あるいは、ラピュタ人プログラマーは超優秀なのでバグは決して作らない前提でテストフェーズをスキップしたのでしょうか?
シータはどうやってバズーに伝えたのか?
アニメを見ていると、ムスカから与えられた3分間の間にシータはパズーに対して滅びの呪文を教えているようなシーンがあります。
この時、もしシータが「パズー、バルスって叫んだら、ラピュタが滅びるから一緒にバルスって叫んで」って教えたとしましょう。
このタイミングで、バルスが正しく機能していたら、ラピュタは破壊されていたはずなのですが、実際はラピュタは破壊されません。
シータはどうやってパズーに「バルス」を伝えることができたのでしょうか?
バルスに最も近いUNIXコマンド rm -r *
ところで、バルスに最も近いITコマンドは何か?と聞かれれば、私は迷わず、UNIXの「rm -r *」を挙げます。
UNIXでrootでログインして、次のコマンドを実行します。
1 2 |
# cd / # rm -r * |
rmコマンドが正しく機能すれば、ルートフォルダからファイルが削除されて、2度とシステムが起動しなくなります。
まさしくバルスです。
天空の城ラピュタのこれまでの再放送日と視聴率
天空の城、ラピュタのこれまでの再放送日と視聴率です。
すごいことに長期にわたって視聴率は落ちていません。
回数 | 放送日 | 視聴率 |
---|---|---|
1 | 1988年4月2日(土) | 12.2% |
2 | 1989年7月21日(金) | 22.6% |
3 | 1991年5月3日(金) | 17.1% |
4 | 1993年3月26日(金) | 20.4% |
5 | 1995年3月24日(金) | 19.9% |
6 | 1997年3月7日(金) | 20.6% |
7 | 1998年12月25日(金) | 20.6% |
8 | 2001年2月23日(金) | 22.2% |
9 | 2003年3月14日(金) | 22.2% |
10 | 2004年12月24日(金) | 16.9% |
11 | 2007年6月15日(金) | 19.9% |
12 | 2009年11月20日(金) | 15.4% |
13 | 2011年12月9日(金) | 15.9% |
14 | 2013年8月2日(金) | 18.5% |
15 | 2016年1月15日(金) |
さて、2016年1月15日はどうなるでしょうか。
楽しみに見てみます。
バルスでTwitterのサーバーが落ちませんように。
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