MCIのスクリーニング検査、MMSE、HDS-R、MoCA-Jとは?カットオフ値

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認知症、軽度認知症の診断のためのスクリーニング検査とそれぞれの違いについてまとめた。

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MCI ( Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害) とは

認知機能の低下の訴えはあるものの、日常生活は問題なく送ることができている状態のことをMCI ( Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害) といいます。

MCIは認知症ではありませんが、認知症の一歩手前の状態です。

MMSE (Mini-Mental State Examination:ミニメンタルステート検査) とは

MMSE (Mini-Mental State Examination:ミニメンタルステート検査) とは、認知症が疑われるときに行われる神経心理検査のひとつです。

MMSE-Jは、日本版のMMSEです。

MMSEの所要時間は10〜15分程度です。

制限時間は1問10秒で、それを過ぎると次の問題に移ります。

テストは30点満点です。

 

内容は

  • 時間に関する見当識:1点×5個
  • 場所に関する見当識:1点×5個
  • 聴覚言語記銘:1点×3個 (3単語の即時再生)
  • 注意と計算:5点
  • 再生:1点×3個 (3単語の遅延再生)
  • 再生:1点×3個
  • 物品呼称:1点×2個
  • 文章復唱:1点
  • 理解:1点×3段階 (3段階の口頭命令)
  • 書字命令:1点
  • 文書書字:1点
  • 図形描画:1点

の計11項目から構成されていて、質問者から出される問題に1つずつ答えていきます。

 

30点満点で

28点から30点:正常

24~27点:軽度認知障害 (MCI) 疑い

23点以下:認知症疑い

となります。

 

認知症のカットオフ値は24点/23点です。

カットオフ値とは、検査結果の陽性と陰性とを分ける値です。

HDS-R (Hasegawa's Dementia Scale-Revised:改訂長谷川式認知症スケール) とは

HDS-R (Hasegawa's Dementia Scale-Revised:改訂長谷川式認知症スケール) とは、年齢、見当識、3単語の即時記銘と遅延再生、計算、数字の逆唱、物品記銘、言語流暢性の9項目からなる30点満点の認知機能検査です。

 

HDS-Rの読み方は、エイチディーエスアールと呼ばれていることが多いです。

かつては、長谷川式簡易知能評価スケールと呼ばれました。

 

30点満点で

21点以上:正常

20点以下:認知症の疑い

となります。

 

カットオフ値は、21点/ 20点です。

MoCA (Montreal Cognitive Assessment) 、MoCA-J とは

MoCA (Montreal Cognitive Assessment) と MoCA-J (Japanese version of MoCA) は、視空間・遂行機能、命名、記憶、注意力、復唱、語想起、抽象概念、遅延再生、見当識からなり、MCIをスクリーニングする検査です。

 

30点満点で

26点以上:正常

25点以下:MCI

です。

 

カットオフ値は、26点/ 25点です。

ACE-R (Addenbrooke's Cognitive Examination-Revised) とは

ACE-R (Addenbrooke's Cognitive Examination-Revised) とは、MMSEに前向性/逆行性記憶、語列挙、視空間認知機能などの検査を加えたものです。

カットオフ値を89点/88点です。

Mini-Cog とは

Mini-Cogとは、3語の即時再生と遅延再生と時計描画を組み合わせたスクリーニング検査です。

DASC-21 (Dementia Assessment Sheet for Community-based Integrated Care System-21 items:地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート) とは

DASC-21とは、認知機能障害と生活機能障害(社会生活の障害)に関連する行動の変化を評価する尺度です。

ABC-DS (ABC dementia scale:ABC認知症スケール) とは

ABC-DSとは、13項目9件法の行動観察式スケールです。

FAB (Frontal Assessment Battery:前頭葉機能) とは

FAB (Frontal Assessment Battery ) は前頭葉機能検査の1つで、認知症の診断に使われる検査方法の1つです。

 

前頭前野は思考や創造性を担う脳の最高中枢であると考えられています。

この脳部位はワーキングメモリー、反応抑制、行動の切り替え、プラニング、推論などの認知・実行機能を担っています。

前頭前野は老化に伴って最も早く機能低下が起こる部位の1つです。

認知症においては、記憶を司る側頭葉機能より先に、前頭葉機能が低下してきます。

そのため、早期に認知症を診断治療するためには、前頭葉の機能検査を行うのです。

 

30点満点で、 カットオフ値は 24点/23点です。

 

 

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