この度、飲食店を経営している人に懐かしの神戸市の学校給食、鯨のノルウェー風を作ってもらい食べました。
神戸市の鯨肉(くじら)について
1986年(S61)の4~12月までの鯨肉を使った献立は、ほぼ月1回は出ていました。
ところが、1987年になって給食のメニューから消えてしまいます。
背景は次の通りです。
1960年代は鯨が最も多く取れた時代といわれていますが、特に1962年(S37)にはピークを迎え22万6千tの生産量があったといわれています。
その頃は全国のほぼ全ての学校給食にはくじらが出されていました。
神戸港が捕鯨の一大基地として多くの母船が出港したのもこの時期です。
しかし、既に国際捕鯨委員会(IWC)では、1963年(S38)には資源保護の観点から南極海でのシロナガスクジラの捕獲が禁止されています。
その後、ナガスクジラ、イワシクジラ、ミンククジラ、マッコウクジラなどが次々と捕獲禁止になり、ついに1985年(S60)にはIWCの捕鯨の一時停止決議を受け入れ、1987年(S62)には商業捕鯨禁止が決まると、全国の給食では鯨肉が給食から消えていきました。
実は最近になって鯨肉の生産量が増えているようです。
2004年(H16)の読売新聞によると1999年度(H11)の全国の学校給食に使われた量は4tだったのが、2003年(H15)には20倍の91tにのぼる、といわれています。
現在ではもっと多くの鯨肉が使用されていると考えられています。
理由は調査捕鯨の枠の拡大です。
ただ、まだまだ給食で使うには生産量が少ないです。
神戸市が鯨肉を使用しようとすれば、例えば「くじらのノルウェー風」には1回に5tの量が必要です。
これだけの量を確保することが難しいこと、そして牛肉や豚肉に比べ価格が高いこと等から、あえて鯨肉を使う必要性がないと思っています。
また最近では鯨肉から高濃度の水銀が検出されたとの新聞報道もありました。
神戸港がかつて一大捕鯨基地であったこともあり、これらの課題がクリアされれば、導入することも考えられます。
鯨のノルウェー風を作ってもらった
神戸出身で飲食店を経営している人に鯨のノルウェー風を作ってもらいました。
学校給食のレシピは次の通りです。
材料:鯨肉 60g
しょうがのしぼり汁、酒 少々 しょうゆ 小さじ1 片栗粉 適宜
ジャガイモ 50g 人参 25g 塩 少々 グリンピース 5g
トマトケチャップ 小さじ2 ウスターソース、さとう、水 小さじ1 あげ油 適宜
作り方:
- 鯨肉(代品の肉)は、一口大に切って、しょうがのしぼり汁、酒、しょうゆにつけておく。
- 1の水気をきって、片栗粉をまぶし、油で揚げる。
- じゃがいも、人参は、角切りににし、油で揚げ、軽く塩をふっておく。
- グリンピースは、さっとゆでておく。
- トマトケチャップ、ウスターソース、さとう、水をひと煮立ちさせ、揚げた肉とジャガイモ、人参を加え、あえる。
- 最後にグリンピースを入れ、さっと混ぜ合わせる。
今回は多人数で食べることもあり、量はこれよりも多く、多少アレンジしてもらいました。
それがこちらです。
久々に食べた鯨のノルウェー風ですが、やわらかくてフワフワでした。
学校給食はもう少し硬かった記憶があります。
肉の風味は、牛肉の赤味の感覚が一番近いように思います。
生臭さはなく、香ばしい感じです。
正直、おいしかった。
最後まで読んでいただきありがとうござました。
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