マイナンバー制度の概略と今後のスケジュール、メリットとデメリット

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間もなくマイナンバー制度が始まります。

10月からはマイナンバーが通知されます。

 

短期滞在(主に観光ビザ)の外国人以外には、マイナンバーが通知されます。
日本に永住権を持っている外国籍の方はもちろん、留学で日本に来ている人にもマイナンバーは通知されます。

マイナンバーの通知対象は、「住民登録」です。つまり出生届を出すことによって、マイナンバーの発効対象となります。
日本で住民登録をしている人であれば、国籍・年齢を問わずマイナンバーが通知されます。

私にはまだ自分の番号が通知されていませんが、みなさんには番号は通知さていますでしょうか。
今後、必要になってくるマイナンバー制度の概略とスケジュール、メリットとデメリットをまとめてみました。

 

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マイナンバーとは?制度の概略と今後のスケジュール

マイナンバー制度の概略と今後のスケジュールは次の通りです。
image
(画像:キーマンズネット http://www.keyman.or.jp/at/30006689/p4.html)

「マイナンバー」とは何のこと?

マイナンバー(個人番号)とは、国民一人ひとりが持つ12桁の番号のことです。
マイナンバーは、一生使うものです。番号が漏えいし、不正に使われるおそれがある場合を除き、一生変更されませんので、大切にしてください。

 

どうしてマイナンバーが必要なの?

マイナンバー制度には「行政の効率化」、「国民の利便性の向上」、「公平・公正な社会の実現」というメリットがあります。

 

行政の効率化

行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減されます。
複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されます。

 

国民の利便性の向上

添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。
また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ることができます。

 

公平・公正な社会の実現

所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている方にきめ細かな支援を行うことができます。

 

自分のマイナンバーはどう知るの?

平成27年10月から、住民票を有する全ての人に、1人1つのマイナンバー(個人番号)が通知されます。
市町村から、住民票の住所にマイナンバーの通知が送られます。外国籍でも住民票のある方は対象となります。
住民票の住所と異なるところにお住まいの方は、お住まいの市町村に住民票を移してください。

 

「個人番号カード」とは何のこと?

マイナンバーの通知後に市町村に申請をすると、身分証明書や様々なサービスに利用できる個人番号カードが交付されます。

個人番号カードに記録されるのは、券面に記載された氏名、住所、個人番号などのほか、電子証明書などに限られ、所得などのプライバシー性の高い個人情報は記録されません。
個人番号カードは、平成28年1月から交付されます。

  • e-Tax等の電子申請等が行える電子証明書も標準搭載されます。
  • 図書館利用や印鑑登録証など、地方公共団体が条例で定めるサービスにも利用できます。
  • 既にお持ちの住基カードは有効期限まで利用できます。ただし、個人番号カードとの重複所持はできません。

 

マイナンバーが必要なのは、いつ?

平成28年1月から、社会保障、税、災害対策の行政手続でマイナンバーが必要になります。

 

社会保障

  • 年金の資格取得や確認、給付
  • 雇用保険の資格取得や確認、給付
  • 医療保険の給付請求
  • 福祉分野の給付、生活保護 など

 

  • 税務当局に提出する確定申告書、届出書、調書などに記載
  • 税務当局の内部事務 など

 

災害対策

  • 被災者生活再建支援金の支給
  • 被災者台帳の作成事務 など

 

マイナンバーは社会保障・税・災害対策分野の中でも、法律や地方公共団体の条例で定められた行政手続にしか使えません。
※社会保障・地方税・災害対策に関する事務やこれらに類する事務で、地方公共団体が条例で定める事務にマイナンバーを利用することができます。

 

法令で定められた手続のために、行政機関や民間企業などへのマイナンバーの告知が必要となります。

学生なら、例えば…

  • アルバイトの勤務先へ
  • 奨学金の申請時に学校へ
  • 勤労学生控除の手続時に勤務先へ

 

主婦保護者なら、例えば…

  • パート・アルバイトの勤務先へ
  • 児童手当の申請時に市区町村へ
  • 子どもの予防接種時に市区町村へ

 

従業員なら、例えば…

  • 源泉徴収票を作成してもらう時に勤務先へ
  • 健康保険や雇用保険、年金などの手続時に勤務先へ

 

高齢者なら、例えば…

  • 年金給付の手続時に年金事務所へ
  • 福祉や介護の制度利用時に市区町村へ
  • 災害時の支援制度を利用する際市区町村へ

 

保険加入者など、例えば…

  • 保険金の支払いや特定口座の開設などの手続時に金融機関へ

 

※マイナンバーを用いる手続では、マイナンバーだけでなく、本人確認書類による本人確認も行うため、マイナンバーだけでなりすましはできません。

 

インターネットから閲覧できるの?

平成29年1月からマイナポータルで、個人情報のやりとりの記録が確認できるようになります。

マイナポータルでできること

  • 自分の個人情報をいつ、誰が、なぜ提供したのか確認できます。
  • 行政機関などが持っている自分の個人情報の内容を確認できます。
  • 行政機関などから一人ひとりに合った行政サービスなどのお知らせが来ます。

※マイナポータルの機能の詳細は検討中です。

 

マイナンバーの取扱い注意点は?

マイナンバーは、手続のために行政機関等に提供する場合を除き、むやみに提供することはできません。
他人のマイナンバーを不正に入手することや、他人のマイナンバーを取り扱う者がマイナンバーや個人の秘密が記録された個人情報ファイルを不当に提供することは、処罰の対象となります。

 

開始までのスケジュールは?

平成27年10月からお手元にマイナンバーを通知します。
住民票の住所に通知が届きます。
住民票の住所と異なるところにお住まいの方は、お住まいの市町村へ住民票の異動が必要です。

平成28年1月から社会保障、税、災害対策の行政手続でマイナンバーが必要になります。
申請者には、個人番号カードを交付します。

平成29年1月からマイナポータルが開始予定です。

 

マイナンバー制度のメリットとデメリット

マイナンバーの概略をつかんだ上でそのメリットとデメリットは次の通りです。

 

マイナンバーのメリット

マイナンバーの導入は、行政にとっても国民にとっても大きなメリットがあります。前の項で解説したように、個人の特定が容易になりますので、各種手続きが従来よりも格段にスムーズになるでしょう。

 

組織間での個人情報の共有がスムーズになる

マイナンバーが導入されると、全国のあらゆる公的組織でまったく同じ番号によって個人情報が管理されることになります。
すると、各組織間で個人情報をやりとりする際には、データの共有や連携がスムーズに行われるようになるはずです。
役所での手続きは時間がかかるというイメージがあるかもしれませんが、マイナンバーによって大幅な時間短縮が期待できるというわけです。

 

人的ミスのリスクを軽減できる

手間と時間がかからなければ、そのぶん人的なミスが発生するリスクも軽減できます。
万一ミスが起きてしまったとしても、手続きが少なければ間違いを発見しやすいですし、マイナンバーで一括管理されていますから訂正も簡単です。

 

コストカットによるリソースの有効活用

従来に比べて手間が省けるということは、それだけコストや人員を削減できるということでもあります。
すると、そのぶんのリソースを別の部分に回すことができますので、公的機関のサービスが今までよりも充実したものになる可能性があるでしょう。

 

マイナンバーのデメリット

このようにさまざまなメリットのあるマイナンバー制度ですが、その反面、デメリットも指摘されています。
以前から何度も導入が検討されながらずっと見送られてきたのは、デメリットが小さくないためでした。

 

国民のプライバシーが侵害される危険性

個人情報を一括で管理できるということは、逆にいえば情報をまとめて手に入れられるということでもあります。
すると、国や自治体が特定の人物の情報を簡単に確認できるようになってしまうので、プライバシーを侵害されるおそれが出てきます。
管理担当者が悪質な人物だった場合には、本来の業務では必要ないはずの情報にまでアクセスされてしまうかもしれません。
マイナンバーのデータの運用制限を徹底することが求められます。

 

流出・漏洩してしまうとリスクが大きい

マイナンバーで紐付けされる個人情報は多岐に渡ります。
当面は税金関係や社会保障手続きに限定されていますが、将来的には銀行口座や犯罪歴などまで関連づけようという提案も出ています。
あまりにも多くの情報が紐付けされると、万一流出してしまった場合のリスクも大きくなります。
ひとたび悪用されたら全財産を失ってしまうということだってありえるかもしれません。

 

マイナンバーが送られてきたら?

2015年中には日本に住むすべての人に届くのがマイナンバーの「通知カード」です。
もし届かなければ事故の可能性があるので、自治体に問い合わせが必要です。

届いた封筒から出てくるのは、カードというよりただの紙切れです。
人によっては「単なるお知らせ」と勘違いして、捨てそうになるかもしれないが、実は極めて重要なものです。
捨てたりせず、厳重に保管しましょう。
また大事なものであることは、必ず家族全員にも周知しておきましょう。

 

「通知カード」は世帯単位で届けられます。
世帯主とその家族それぞれの分が同封されていて、各々に自分だけのマイナンバーが発行されます。

送られてくる用紙は3つの部分から成り立ちます。

 

通知カード

まず、重要なのが「通知カード」です。
届いたら記載事項の確認します。
カードにはマイナンバーに加え、氏名、住所、生年月日、性別が記載されています。
万一誤りがあればすぐに自治体に連絡しましょう。
問題なければ貴重品として厳重に保管しましょう。

 

申請書

次に、中央の部分は「個人番号カード」の交付に必要な申請書です。
「通知カード」は文字どおり、マイナンバーを知るためのカードで「通知カード」には身分証としての効力はありません。
一方「個人番号カード」は免許証やパスポートなどと同様、身分証の役割も持ちます。
その「個人番号カード」を発行してもらうのに必要なのがこの申請書です。

個人番号カード交付申請書には必要事項を記入し、顔写真を貼った上で、同封された返信用封筒に入れて投函してください。
※スマートフォンで申請することも可能です。

 

申請の控え

最後に、一番下の部分は「個人番号カード」の申請の控えとなります。
申請したのにいつまでたっても発行の連絡がなければ、この控えを手元に用意し、自治体に連絡しましょう。

 

まとめ

マイナンバー制度は、民主党政権下で制度化が決まり、自民党政権下で施行されています。
従って与党も野党もなかなか反対できないようです。

デメリットはあるものの、国際的にはマイナンバー制度が施行されるのは、普通のようです。
今回日本が導入するマイナンバー制度に似た共通番号制度は周辺諸外国ではすでに取り入れられている国がたくさんあるのです。

むしろ先進国の中で、このような国民総背番号制が導入されていなかった国は日本くらいであったと言ってもよいかもしれません。
アメリカでは1936年と戦前に導入されており、韓国、中国、シンガポールなどのアジアはもちろんのことアイスランド、イギリス、イタリア、オランダ、シンガポール、ドイツなどのヨーロッパオーストラリア、カナダなど世界中の多くの国が既に導入済みです。

まだまだ、実際のメリット、デメリットを感じるは先ではないかと思いますが、今の内から、心の準備だけはしておきましょう。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうござました。
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