アメリカのIT企業の2018年売り上げ上位10社(アップル、アマゾン、Google、マイクロソフト、IBM)

ITで知っておくべき知識
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アメリカには巨大なIT企業が沢山ありますね。

 

以下の記事でまとめた通り、倒産、買収されてしまった有名なIT企業が沢山あります。

消滅、倒産したIT企業たち (サイリックス Cyrix、シリコングラフィックス、サンマイクロシステムズ、トランスメタ)
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一方、上位10社はどんな会社なんでしょうか。

2018年の売り上げ予測で上位10社を見てみましょう。

 

売上額は、1ドルを100円として計算してみました。

ソースは以下です。

https://www.cnbc.com/2018/01/21/ten-largest-us-tech-firms-2018-revenue-seen-topping-1-trillion.html

 

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アップル 27兆3,300億円, Apple $273.3 billion

アップルは1976年、スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックによって創業されました。

 

日本人には、とても人気のあるiPhone, iPad, iPod, Macでおなじみの会社です。

1990年代中盤は倒産の危機すらささやかれましたが、iPodやiTunesに始まる脱パソコン事業、スマホのiPhone、タブレットのiPadとすべてが成功し、現在は世界最大のIT企業です。

おしゃれなデザインと徹底した、こだわりのあるユーザーインターフェースは他社の追随を許しませんね。

株式の時価総額も2018年2月時点で、90兆円で世界1位の企業です。

 

アップルの1990年以降の売上高の推移は次の通りです。

アップルの売上高と純利益の長期推移
売上高 純利益
1990年 56億ドル 5億ドル
1991 63 3
1992 71 5
1993 80 1
1994 92 3
1995 111 4
1996 98 -8
1997 71 -10
1998 59 3
1999 61 6
2000 80 8
2001 54 -0
2002 57 1
2003 62 1
2004 83 3
2005 139 13
2006 193 20
2007 240 35
2008 325 48
2009 429 82
2010 652 140
2011 1082 259
2012 1565 417
2013 1709 370
2014 1828 395
2015 2337 534
2016 2156 457

出典はWikipedia

 

2012年にそれまでトップだったHPを抜いて、売上高で世界1位のIT企業となりました。

特に2005年以降の売り上げの伸びは異常とも言えます。

アップル1社の売り上げのみで、3位のグーグル、4位のマイクロソフト、5位のIBMを足した売り上げと同額程度になるのはスゴすぎる。

 

アップルに死角があるとすれば、世界的にはスマホ、タブレットで安価なAndroid勢にシェアを奪われていることか。

スマホ、タブレットもコモディティ化したパソコンのようになると競争力が失われます。

カリスマ性があったスティーブ・ジョブズなき後、売り上げを更に伸ばすのは困難か。

 

アマゾン 22兆8,700億円, Amazon $228.7 billion

1994年ジェフ・ベゾスが創業したアマゾンドットコムは、書籍通販からスタートして現在はネット通販最大手のひとつです。

 

日本でも楽天と並ぶ売上高とユーザー数を誇ります。

日本単体でもアマゾンジャパンの売り上げは1.1兆円(2016年)で、楽天グループの売り上げ9,444億円(2017年) を上回っていますね。

 

ネット通販以外もクラウドサービスであるAWS、キンドール端末による電子書籍、スマートスピーカーであるアマゾンエコーでも有名です。

 

※ちなみに世界最大のネット通販会社は中国のアリババらしいです。

こちらは中国企業なので馴染みがないですね。

 

グーグル 13兆1,300億円, Alphabet $131.3 billion

Googleは、1998年スタンフォード大学の学生であったラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって創業されました。

Alphabetは、検索エンジン大手のグーグルの持ち株親会社です。

 

Googleは、スマホOSであるAndroidやYouTubeを買収し、世界シェアでNo.1のブラウザGoogle Chromeを世に出しました。

また、Googleマップ、Googleストリートビュー、Gmail、YouTubeなど一般ユーザーが馴染みのある無料のサービスが沢山。

Google HomeというAIスピーカーも出しています。

売り上げのほとんどが検索エンジン広告、YouTube動画広告です。

 

マイクロソフト 10兆6,400億円, Microsoft $106.4 billion

1975年にビル・ゲイツとポール・アレンによって創業されたマイクロソフトは、パソコン関連では世界最大のソフトウェア企業です。

Windowsを始めとしたOS事業と、WordやExcelを擁するデスクトップアプリケーション分野をほぼ独占し、コンペはない状況。

Xboxのゲーム事業ほか、エンタープライズ向けにクラウド事業やERPなどの各種サービスも展開しており多角経営を行っています。

 

1990年代中ごろから2000年代にかけては、CPUメーカーのインテルとともにWintelと呼ばれ、絶大な影響力を誇りました。

 

近年は、スマホ、タブレット等の事業ではアップルに先行され、Bing検索エンジンではGoogleには及びません。

 

マイクロソフトにより買収された主な会社は、以下の通りです。

スカイプ (Skype 2011年 85億ドル)
ヤマー (Yammer 2012年 12億ドル)
ノキアの携帯電話事業 (Nokia 2013年 72億ドル)
モージャン (Mojang 2014年 25億ドル)  ※マインクラフト (Minecraft) の開発元
リンクドイン (LinkedIn 2016年 262億ドル)

 

IBM 7兆8,000億円, IBM $78.8 billion

1912年創業のIBMは、かつて世界最大のIT企業でしたが、現在は5位。

ビッグブルーとも呼ばれ、1970年代は大型汎用機を中心としたビジネスで大成功し、1990年代はサービス事業にしシフト。

パソコンからメインフレームまで作っていました。

一方で、コモディティ化し付加価値の見出せないパソコンをレノボに売却し、付加価値の高いAI事業ワトソンに力を入れるなど、生き残りを図っています。

 

1999年から2016年までのIBMの売り上げは次の通りです。

IBM revenue 2023 | Statista
IBM generated around 62 billion U.S.

売上高
(億ドル)
1999年 875.5
2000年 884
2001年 830.7
2002年 811.9
2003年 891.3
2004年 962.9
2005年 911.3
2006年 914.2
2007年 987.9
2008年 1036.3
2009年 957.6
2010年 998.7
2011年 1069.2
2012年 1045.1
2013年 997.5
2014年 928
2015年 817.4
2016年 799.2

 

アップルなどと比べて、近年は売り上げが停滞していることが分かります。

ただ一方で、100年以上の歴史があり、移り変わりの多いIT分野において、まだ影響力が絶大である点はさすが。

ここまで長きに渡って業界のトップに君臨しているのは、他業種ではゼネラル・エレクトリック (GE) に近いか。

 

IBMにより買収された主な会社は、以下の通りです。

ロータスデベロップメント (Lotus Development 1995年 35億ドル)
チボリシステムズ (Tivoli Systems 1996年 7億4300万ドル)
インフォミックス (Informix 2001年 10億ドル)
プライスウォーターハウス (PwC 2002年 35億ドル)
ラショナルソフトウェア (Rational Software 2003年 21億ドル)
コグノス (Cognos 2008年 49億ドル)
エスピーエスエス (SPSS 2009年 12億ドル)
アルゴリスミクス (Algorithmics 2011年 3億8700万ドル)
ソフトレイヤー (SoftLayer 2013年 20億ドル)
ユーストリーム (Ustream 2016年)

 

 

IBMの日本法人である日本IBMも大手。

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インテル 6兆3,800億円, Intel $63.8 billion

1968年、ロバート・ノイス、ゴードン・ムーアによって創業されたインテルは、世界最大のCPUメーカーです。

集積回路上のトランジスタ数は「18か月(=1.5年) ごとに倍になる」というムーアの法則でも有名。

RISCプロセッサメーカーや、モトローラなどの競合CPUメーカー、AMDなどの互換CPUメーカーの多くを蹴散らし、パソコンでは圧倒的なシェア。

 

一方、スマホやゲーム機を始めとして省電力分野では、ARM系には歯が立たないです。

ARMについては以下をご覧ください。

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ヒューレット・パッカード 5兆4,000億円 Hewlett-Packard $54 billion

1939年に、ウィリアム・ヒューレットとデビッド・パッカードによって創業されたヒューレットパッカードは、世界最大のパソコンメーカーとして有名ですが、実は医療系や計測機器、プリンター、SI事業もやっています。

新興の会社の多いIT企業にあって1939年創業であり、IBMと並んで老舗です。

創業の場所である旧パッカード家のガレージは、シリコンバレーの聖地的な場所となっています。

 

2002年に当時世界最大のパソコンメーカーであったコンパックコンピュータを買収したこともあり、2006年に売り上げでIBMを抜いて世界最大のIT企業になりました。

その後、2015年にPC・プリンタ部門と企業向け部門に分社化されました。

 

PC・プリンタ部門がHP Inc.で、こちらの方が本体と考えてよいでしょう。

企業向けはヒューレット・パッカード・エンタープライズ (Hewlett Packard Enterprise, HPE) です。

 

フェースブック 5兆3,800億円 Facebook $53.8 billion

Facebookは、2004年にハーバード大学の学生だったマーク・ザッカーバーグが創業しました。

日本の一般人にも浸透した世界最大のSNSサービスが、フェースブックです。

売り上げのほとんどはFacebook広告です。

 

日本でも普及しているInstagram (インスタグラム) や、VRのヘッドセットであるOculus Rift (オキュラスリフト) を子会社として持っています。

 

シスコシステムズ 4兆8,500億円 Cisco $48.5 billion

シスコシステムズは1984年にレン・ボサックとサンディ・ラーナーによって創業されました。

一般人にあまり知られていない地味な存在ですが、ルーターなどのネットワーク機器では60%のシェアを誇る世界最大のコンピュータネットワーク機器メーカーです。

 

また、ルータ、スイッチ、セキュリティ、ワイヤレスLAN、Web会議アプリケーション、テレプレゼンス (ビデオ会議端末) 、音声システム (IP電話) は世界のトップブランドです。

 

シスコシステムズにより買収された主な会社は、以下の通りです。

ウェブエックス (WebEX 2007年 32億ドル)

 

オラクル 3兆9,800億円 Oracle $39.8 billion

オラクルは1977年にラリー・エリソンにより創業されました。

データベースの世界では代名詞的な存在がオラクルです。

 

データベースではNo.1で、ERPの分野ではSAPについてNo.2の地位です。

日本でも大手企業を中心によく使われています。

エンタープライズ系のソフトウェアではIBMやマイクロソフト、SAPとも競合しています。

 

また、SAPと並び、ITベンダーの買収を盛んに行っている会社としても有名です。

オラクルにより買収された主な会社は、次の通りです。

ピープルソフト (PeopleSoft 2004年、103億ドル)
シーベルシステムズ (Siebel System 2005年、58億ドル)
ハイペリオンソリューション (Hyperion Solutions 2007年、33億ドル)
BEAシステムズ (BEA Systems 2008年、85億ドル)
サン・マイクロシステムズ (Sun Microsystems 2009年、74億ドル)
ネットスイート (NetSuite 2016年、93億ドル)

 

 

 

ここまでアメリカの大手IT企業上位10社を見てきましたが、注目しないといけない2社があるのでそちらを見てみましょう。

番外編 デル Dell 8兆円 $80Billion

1984年、マイケ・デルによって創業されたデルは、HPに次いで世界2位のパソコンメーカーでです。

上場企業でしたが、2013年に株式の非公開化を完了しました。

売上高8兆円なら、IBMを凌ぎ米国第5位のIT企業なのですが、正確な数値は不明です。

 

 

デルにより買収された主な会社は、次の通りです。

ヴイエムウェア (VMware 2003年)
EMC (EMC 2015年 800億ドル)

 

番外編 セールスフォース・ドットコム Salesforce.com 1兆400億円 $10.4Billion

1999年、マーク・ベニオフによって創業されたセールスフォース・ドットコムは、世界最大のクラウドアプリケーション会社です。

ソフトウェアをWeb上でサービスとして提供するSaaS (Software as a Service)型のアプリケーション市場を開拓し、米IT調査会社ガートナーによる最新レポートでは、世界のソフトウェア企業ランキングで第10位で、CRMの世界マーケットシェアは16.1%で第1位です。

また、日本国内の営業支援システム (SFA) のマーケットシェアは60.4%で、まさに圧倒的です。

 

セールスフォース本体は、オラクルやSAP、マイクロソフトからの買収の噂もありますが、今後どうなることでしょうね。。

 

 

 

ところで、参考までに米国外の有力なIT企業も見てみましょう。

米国外の企業 SAP 3兆2,000億円

SAP (読み方は、エスーエーピー) は、1972年創業のヨーロッパ最大級のソフトウェア企業です。

SAP R/3というERPパッケージが主力製品です。

 

オラクルと並びITベンダーを盛んに買収しています。

SAPにより買収された主な会社は、次の通りです。

ビジネスオブジェクツ (Business Objects 2007年 68億ドル)
サイベース (Sybase 2010年、58億ドル)
サクセスファクターズ (SuccessFactors 2011年 34億ドル)
コンカーテクノロジーズ (Concur Technologies 2014年 83億ドル)
カリダス (Callidus 2018年 24億ドル)

 

米国外の企業 サムスン電子 16兆7,480億円, Samsung Electronics $167.48 Billion

韓国最大の財閥グループ。

日本ではソニーやパナソニックに近い位置づけなので、IT企業と呼べるかどうかは微妙。

ただし、AndroidスマホのGalaxyシリーズは、iPhoneの最大のライバルでもあります。

 

売上高はアップル、アマゾンに及ばないもののGoogleよりも上。

 

まとめ

ちなみに日本の企業の売り上げ規模は

トヨタ自動車が28兆4,031億円
NTTが11兆円3,910億円
ソフトバンクグループが8兆9,010億円
ソニーが7兆6,032億円
富士通が4兆5,000億円
NECが2兆6,650億円

だとか。

 

やっぱり、アップル恐るべしか。