1980年代から1990年代の初頭にかけて、日本のパソコンはNECのPC-98シリーズの全盛期でした。
そんな中でMS-DOSで動作する、秀逸ソフトがいくつかありました。
振り返ってみましょう。
目次
ファイラー FD (出井厚作、ファイル管理ソフト)
FDは、MS-DOSで動くファイラー、ファイル管理ソフト。
FDは File and Directoryの略です。
ここでのFDは、フロッピーディスクではありません。
FDはアセンブラで書かれており、ファイル一覧、ファイル名の変更、階層ディレクトリの移動などが、高速で容易に行うことが出来て使いやすいものでした。
FDは、1989年にNECに在籍していた出射厚 (いでい あつし) 氏が開発を始めたもので、フリーソフトの走りです。
MS-DOS時代では、マイクロデータ社のエコロジーっていうソフトがFDのコンペでした。
Windows時代になってからは、エクスプローラーでファイル操作ができるので、FDはだんだん使われなくなってきました。
Windows 10が主流の現在、FDのクローンが使われることはほとんどありません。
FDの製作者である出射氏は、2004年に逝去しました。
合唱。
WinFDとは?ダウンロード
Windows版のクローン WinFDっていうのもありました。
WinFDは、FDのソースコードは全く使っていないクローンでシェアウェアです。
Windows 10でも動くようですが、開発は止まっているようです。
エディター VZ Edir (ヴイゼットエディタ)
VZ Editor(ヴイゼットエディタ) は、1989年にビレッジセンターが発売したテキストエディターです。
競合だったメガソフトのMIFESが数万円だったのに対して、VZ Editor は9,800円と安かったのでよく使われていました
ただ、Windows時代になってからは、秀丸、サクラエディタ、atom等に取って代わられました。
通信ソフト WTERM (ダブルターム)
WTERMは、フリーの通信ソフトです。
今のようにブロードバンド回線やインターネットが普及する以前は、NECのPC-VANや富士通のニフティサーブのような会員制のパソコン通信を使うのが普通でした。
パソコン通信ソフトの代表格が、WTERMでした。
当時、著名なパソコン通信ソフトとしては、他には、まいと~く、秀Term がありました。
ブロード回線が普及した現在では、これらのソフトは不要となりました。
アーカイバ LHA (エルエイチエー、ラー)
LHA (エルエイチエー、ラー) は、ファイルの圧縮・アーカイブを行うソフトウェアです。
圧縮・アーカイブされたファイルは、その拡張子からLHZ (エルエイチゼット) と呼ばれていました。
日本国内では、パソコン通信を中心に重宝され、ほぼ標準的な圧縮形式でした。
現在はアーカイバとしては、暗号化機能があり、ファイル名にUnicodeを使える世界標準のZIPが使われるのが一般的です。
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