年初からIT業界では大きな話題となった、メルカリによるOrigami の買収。
これ、実質、Origamiの経営破綻だったらしい。
・https://diamond.jp/articles/-/228034
メルカリへの身売りを発表したスマートフォン決済のオリガミの譲渡価格は1株1円だったことが6日、分かった。オリガミは売却に当たり、社員185人のうち約9割にあたる160~170人規模のリストラを実行する。キャッシュレス決済のフロントランナーだった同社は競争激化により、事実上の経営破綻に追い込まれたかたちだ。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)
Origamiの歴史とスマホ決済のおすすめ、ランキング、種類について調べてみました。
目次
スマホ決済 の 株式会社Origami (オリガミ)
Origamiの社長
Origamiの創業者であり社長は、康井義貴(やすいよしたか)氏。
1985年トロント生まれ。
トロント、ニューヨークで幼少期を過ごし、10歳から東京に在住。
シドニー大学留学、早稲田大学卒業後、米大手投資銀行リーマン・ブラザーズでM&Aアドバイザリー業務に従事。
その後、シリコンバレーの大手ベンチャーキャピタルDCM Venturesで米国、日本、中国のスタートアップへの投資を手掛ける。
2012年、Origami(オリガミ)設立。
一般社団法人キャッシュレス推進協議会理事、経済産業省 産業構造審議会商務流通情報分科会委員も務める。
輝かしい経歴ですね。
Origamiの沿革、資金調達
Origami の沿革、資金調達を簡単にまとめてみた。
2012年2月22日、会社設立。
2016年5月、スマホ決済サービス Origami Pay のサービス開始。
2020年1月23日、メルカリの子会社であるメルペイが同年2月25日付けでOrigamiの全株式を取得し、メルカリグループに参画する事を発表した。
ベンチャーラウンド、資金調達は次の通り。
シーズラウンド 2012年6月 4千万円
シリーズA 2013年4月 5億円
シリーズB 2015年4月 16億円
シリーズC 2018年9月 66.6億円
資金調達については詳細は以下に詳しいです。
・https://www.crunchbase.com/search/funding_rounds/field/organizations/funding_total/origami-inc
Origamiの株主、株価
Origamiは、シリーズCで66.6億円調達していますが、投資した企業は次の通りです。
- 銀聯国際(UnionPay International)
- トヨタファイナンシャルサービス
- 三井住友カード
- 信金中央金庫
- SBIインベストメント
- 大垣共立銀行
- 日本ユニシス
- JCB
- 株式会社DG Daiwa Ventures
- クレディセゾン
やっぱり大手が多いですね。
でないと66億円は調達できません。
PayPayなどと同じく、ソフトバンク系と思われるSBIインベストメントが出資しているのが意外。
両天秤に掛けていたんでしょうか。
おそらく、Origamiの経営陣がシリーズCの資金調達に動いたのは、2018年の初頭と思われます。
シリーズCまで行っていたんだから、上場間近と思われていたんでしょうか?
その時点では、経営陣も投資した会社も上場できると思っていたんでしょうね。
Origamiの株主構成はどうなっているんでしょう。
Origamiの破綻、リストラについて考察
Origamiの破綻、リストラについて考察。
オリガミはコスト面の負担が大きい一方で収益が追い付かず、1月中旬の段階で「残り数週間で資金がショートするレベル」(関係者)だった。
康井義貴社長をはじめ、オリガミ幹部は資本調達に走り回ったが、出資先が見つからずに八方ふさがりとなり、最後にたどり着いたのがメルカリだった。康井社長は1株1円という破格での売却の代わりに従業員の雇用維持を申し入れたが、従業員の削減が「メルカリからの買収条件だった」(オリガミ元社員)という。
メルカリによる買収という形は取ったものの、実質、Origamiの経営破綻。
Origamiの経営陣は、去年の夏には、資金ショートの状況は分かっていたんじゃないかな。
シリーズCで66億円調達しているので、これ以上、出資てくれる企業はなかなか見つからないでしょうね。
Origami Payの加盟店は累計19万ヶ所。
Origamiの売却先であるメルペイは約170万ヶ所(iD決済約90万ヶ所+コード決済約80万ヶ所、いずれも2019年9月時点)。
競合であるPayPayは185万ヶ所超(2020年1月17日時点)。
なので、メルカリがPayPayに追いつくために、Origamiを買収するのは理にかなっていると言える。
赤字のメルペイ事業に投資しているメルカリにとって、Origamiに価値を見出せるのは加盟店数ぐらい。
メルカリにとって、100人以上いるOrigamiのスーパーエンジニア達は不要ってことか。
ORIGAMIの2018年2月期の売上高は2億2200万円に対し、営業損失は25億4400万円、純損失は25億4900万円。
一方、純資産が31億2400万円、総資産が42億5900万円でした。
2018年9月から、2020年1月までに1年半で66億円のキャッシュが無くなっているっていうことは、月に4億円ぐらいの赤字だったってことか。
社員が200人いた場合、月々の人件費は2億円弱ぐらいだろう。
営業経費、キャンペーン、外注費に月2億円以上使っていたってことか。
売り上げはほとんどないか、せいぜい数千万円程度だったと推測されます。
PayPay、メルペイなどの超強力な競合が出てくる中で、2019年の春ごろには、ジリ貧になるのは目に見えていたでしょう。
2019年、何か対策があったとしたら、リストラしつつ、競合との提携か、別ビジネスへの注力ぐらいだったか。
2019年にも人を採用していたらしいけど、どういう考えだったんだろう?
Origamiの破綻、リストラについてネットの意見
Origamiの破綻、リストラについてネットの意見を調べてみると面白い意見が多かった。
Twitterでのコメントは面白かった。
11月に入社って。。。経営陣はもはや後がないことが分かっていたと思うが。。
1月31日でほとんどの社員は出社最終日だとか。
会社に行ってみたら破綻していたという状況ではなく、社員にはリストラが知らされていたので、まだマトモな経営者と言えるか。
笑える。
IT業界のスーパースター達を沢山雇ったんでしょうか。
スーパースターが沢山いるだけでは中々、ベンチャー会社は成功しない。
ビジョンと共感がないと。。
ITベンチャー会社の社長と女子アナカップルはよくあるパターン。
でも、すべてのITベンチャーが成功する訳ではないので。。
破局したと思われる2019年夏ごろには、資金繰りは相当悪化していたでしょう。
ホリエモンから見たら、想定内なんでしょうね。
スマホ決済・QR決済ランキング、シェア
ところで、Origamiが挑んだスマホ決済・QR決済のランキング、シェアはどうなっているのでしょうか。
・https://ecnomikata.com/ecnews/24354/
によると、2019年10月時点で、スマホ決済・QR決済のランキング、シェアは以下の順位です。
- PayPay
- d払い
- au WALLET
- 楽天ペイ
- ファミペイ
- LINE Pay
- Origami決済アプリ
- ゆうちょPay
2018年と後発に参入したPayPayですが、2回に渡る100億円キャンペーンやCM使ったマーケティングで圧勝。
独立系のOrigamiには、この市場で勝つのは厳しかったか。
Origamiが抜けて、今後、さらに淘汰が進むのは明らか。
5社ぐらいに絞られるのではないでしょうか。
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