SynologyのNASでCloud SyncというDropboxのクライアントを使っています。
Windows側でDropboxで同期しているExcelのファイルを保存すると、必ず、"_DiskStation_日付_conflict"というキモいファイルが作成されてしまいます。
今回、これまでの経緯と原因を調べてみました。
目次
SynologyのNAS、DSMとCloud Syncのバージョンアップ
Synology NASのOSであるDiskStation Manager(DSM)のこれまでのバージョンは5.2でした。
最新版である6.0は、2016年3月24日にリリースされました。
現時点での最新は、DSM 6.0-7321です。
5.2から6.0へはかなり大きな変更が行われたようです。
主な変更点は次の通りです。
- 64bitアーキテクチャへの対応
4GB以上のメモリを利用可能。処理速度も向上
- Btrfsのサポート(バターエフエス)
クォータ、スナップショットなどに対応。データ整合性も自動的にチェックする最新ファイルシステム
- モジュラー化
一部のビルトインアプリをモジュラー化。メンテナンスとアップデートの柔軟性を向上
- バックアップ機能の強化
ブロックレベルの差分保存でストレージを有効活用。65535バージョンの保持。低負荷のスナップショット。クラウドへのバックアップ/レプリケーションに対応
- スナップショットと複製
共有フォルダーのスナップショットが可能に。ほかのサーバーへの共有フォルダーやLUNの複製にも対応。フェイルオーバーも可能
- 2種類の仮想化に対応
コンテナ型のDocker DSM、完全仮想化のVirtual DSMに対応。ライブマイグレーションもサポート
- MailPlus/MailPlus Server
Synology NASをプラットフォームとしたプライベートクラウドメールサービス。ロードバランスやSpamフィルターに対応。スマートフォン向けアプリも提供
- スプレッドシート
Synology NASをプラットフォームとしたプライベートクラウドオフィスアプリ。表計算シートを社内で共有。ラベル管理なども可能
- File Station
700以上のファイル、メタデータに対応した高度かつ高速な全文検索機能。ドキュメントビューアーも備えるうえ、オンラインでファイルを収集するリクエストも可能に
- Video Station 2.0
インターフェイスを刷新。オンライン/オフライントランスコーディングに対応。アプリもWindows 10 Mobileなど多彩なプラットフォームに対応。Chromecastへの動画配信に対応
- Cloud Station
2段階認証のサポート。バージョニングアルゴリズムの刷新。同時ファイル転送数を1万に増強。パフォーマンスの向上。任意の同期フォルダーの選択が可能に。ダウンロードのみのタスクを追加
- セキュリティ機能
有線での802.1x認証サポート。ファイアウォールルールをポート単位で構成可能
- パフォーマンス
最大12ドライブのSSDキャッシュに対応
DSM 5.0から6.0への変更に伴い、多くのアプリケーションがそのままで動かなくなりました。
アプリケーションの方もバージョンアップが必要になります。
例えば、Dropboxなどのクラウド系のストレージとの同期ソフトであるCloud Syncは1.0から2.0へのバージョンアップが必要になります。
Cloud Syncの方も大きく変更が行われました。
変更点は以下の通りです。
Version: 2.0-0716
(2016/03/24)
- Synchronize a specified folder on the public cloud with a folder on Synology NAS.
- Configure multiple sync tasks in a single connection.
- Sync a folder to multiple public cloud destinations.
- Choose never to remove the data on the destination.
- Supports read-only shared folders.
- Supports encrypted shared folders.
- You can now customize the number of files to be concurrently uploaded/downloaded.
- You can now convert Google Docs to Microsoft Office or jpeg formats in download-only tasks to keep an offline backup copy.
- Last modified time of synced files will be updated to Dropbox.
- Now advanced consistency check can be disabled.
- Supports creating a new remote folder during task creation.
- Supports application privilege settings by group and IP.
- Added support for:
- Microsoft OneDrive for Business and Office 365
- Microsoft OneDrive’s new API
- HiDrive
- Amazon S3 Standard – Infrequent Access storage class
- Amazon S3 Seoul region
- Reorganizes the order of public cloud services by device location.
- Supports OpenStack keystone v3.
- Now offers Windows and Linux decryption tools for data recovery.
- Optimized memory usage.
DSMとCloud Syncのバージョンアップ後、"_DiskStation_日付_conflict"というファイルができる
私は、WindowsでDropboxのクライアントを使っています。
また、Synology NAS側でもDSMのCloud SyncでDropboxのファイルを同期しています。
この場合、Windowsで同期されたExcelファイルを保存すると、割とすぐに、NAS側にも同期されます。
DSM 5.2とCloud Sync 1.0を使っていた頃は、ファイル数が多くなったりすると同期が滞ったり、なんか遅かったりするのですが、DMS 6.0とCloud Sync 2.0になってからは、速くなったように感じます。
一方で、WindowsでExcelを保存すると、
必ず、"_DiskStation_日付_conflict"というファイルが作成されるようになってしまいました。
単なる一時ファイルのようですが、保存するたびに作成されるので、毎回、消さないといけません。
同じ問題らしきものを調べてみると、以下の現象を見つけました。
Re: CloudSync renaming all my local files with "...conflict."
Postby pabby » Mon Apr 04, 2016 11:04 am
Similar problem here.
Linked a share to sync with Amazon Cloud Drive and after each file is uploaded the local file got renamed to filename_DiskStation_2024/12/22_Conflict.
Turning off "Enable advanced consistency check" appears to fix it for Amazon Cloud Drive tasks.
どうやら、Cloud Sync 2.0から導入された「advanced consistency check」(高度な整合性チェックを有効にする)が影響しているようです。
高度な整合性チェックを有効にしない方がよさそうです。
注意点として以下の点があります。
「高度な整合性チェックを有効にする」オプションはデフォルトで有効になっています。
また、一度、この設定のまま接続を作成すると、後から変更できないようです。
変更するには、接続を削除して、再作成が必要になります。
なかなか面倒ですが、仕方ないです。
追記:Google Driveと異なり、Dropboxにはこの設定がなかった。どうしよう。。。?
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