IT業界では、一時代に注目されたけれど消え去ってしまった企業が沢山あります。
そんなこんなで、IT業界のパラダイムのシフトについては以下にまとめました。
ところで、私の思い出に残っている消え去ってしまった(英語ではDefunctと言う)IT企業の一部をご紹介しましょう。
目次
- デジタル・リサーチ (Digital Research)
- ゴー社 (GO Corp)
- ロータスデベロップメント (Lotus Development)
- サイリックス (Cyrix)
- ネクスト・ソフトウェア (NeXT, Inc.、Next Computer, Inc.、Next Software, Inc.)
- ネットスケープコミュニケーションズ (Netscape Communications)
- ディジタル・イクイップメント・コーポレーション (Digital Equipment Corporation))
- コンパック・コンピューター (Compaq Computer)
- シーベルシステムズ (Siebel CRM Systems)
- ピープルソフト (PeopleSoft, Inc.)
- サン・マイクロシステムズ (Sun Microsystems)
- シリコングラフィックス (SGI、Silicon Graphics)
- トランスメタ (Transmeta)
- パーム (Palm, Inc.)
- モトローラ (Motorola)
- パッカードベル (Packard Bell)
- ゲートウェイ (Gateway)
- ボーランド (Borland)
- ノベル (Novell)
- まとめ
デジタル・リサーチ (Digital Research)
デジタル・リサーチ社は、1974年にゲイリー・キルドールによって創設されました。
8ビットパソコン時代のオペレーティングシステムでは、デファクトスタンダードだったCP/Mの開発元として有名な会社です。
デジタル・リサーチ社は1980年頃、IBMとの間で、CP/Mの8086版の話し合いを持ちました。
ところが、デジタル・リサーチ社は、ライセンスをめぐってIBMとの間で機密保持契約にサインをしなかったために、IBMとの交渉は決裂し、結果として1981年に発売されたIBM PCのOSとしてデジタル・リサーチのOSは採用されませんでした。
そして代わりに、IBM PCのOSとしてマイクロソフトのMS-DOSが採用されたことは、IT業界では有名な逸話になっています。
当時、マイクロソフトのビル・ゲイツはOSを開発すらしていなかっために、シアトル・コンピュータ・プロダクツ(SCP)のティム・パターソンが開発した86-DOS オペレーティングシステム(別名QDOS)を5万ドルで購入しました。
そして、ポール・アレンが86-DOSをIBMのハードウェアに対応させて出荷したそうです。
この出来事がデジタルリサーチとマイクロソフトのその後の行方を決める分岐点となります。
16ビット時代を迎えるとデジタル・リサーチは、マイクロソフトのMS-DOSの競合としてDR-DOSといったオペレーティングシステムを出荷しましたが、ついにはマイクロソフトを超えることはありませんでした。
デジタル・リサーチ社は1991年にノベルに買収されました。
ゴー社 (GO Corp)
GO Corp.は、1988年に創設されたペンOSを開発していた企業です。
16ビットのDOSが主流だった時代に、32ビットベースで、しかもすべてオブジェクト指向で設計されたペンポイント (PenPoint) というOSを開発して販売していました。
ただ、PenPointをそっくりまねたマイクロソフトのWindows for Penとの戦いに敗れ、1994年に廃業しました。
これは、1992年ごろのゴー・インターナショナル・インク日本支社の求人票。
日本にも支社があったんですね。
ロータスデベロップメント (Lotus Development)
ロータスデベロップメントは、1982年にミッチ・ケイパーとジョナサン・ザックスによって創設されました。
DOS時代には、デファクトスタンダード言えるLotus 1-2-3というスプレッドシートを開発しました。
また後に、CEOとなるジム・マンジやロータスノーツ(Lotus Notes)開発の父であるレイ・オジーなど著名な人物も輩出しました。
レイ・オジーは後にマイクロソフトのCTOにもなった著名なソフトウェアアーキテクトです。
ロータスノーツとそのサーバーであるドミノは1990年代、デファクトスタンダードと言えるグループウェアでした。
Lotus SuperOffice (オフィススイート)として、以下の製品をリリースしました。
- ロータス 1-2-3 (Lotus 1-2-3) -(表計算ソフト)
- アミプロ (Lotus AmiPro) - ワープロソフト
- ワードプロ (Lotus WordPro) - ワープロソフト(AmiProの後継)
- フリーランス (Lotus Freelance) - プレゼンテーションソフト
- アプローチ (Lotus Approach) - 関係データベース
- オーガナイザー (Lotus Organizer) - 個人情報管理ソフト
ただ、これらの製品はWindows時代はExcelとWordを擁するマイクロソフトオフィスの牙城を崩すことはできませんでした。
その後、ロータスデベロップメントは1995年に32億ドルでIBMに買収されました。
サイリックス (Cyrix)
サイリックスは、1988年にジェリー・ロジャーによって創設されたCPUプロセッサメーカーです。
インテル互換の安価なCPUを製造、販売しており日本でも一時期よく、インテル製のCPUをアップグレードするためのCPUとして販売されていました。
実は私も買ったことがあります。
1995年ごろ、パソコン最大手のコンパックが低価格のプレサリオ (Presario) 2100や2200にサイリックスを採用したことで、最初の大成功となりました。
更に、パッカードベルへの販売が実施され、この実績から6x86がパッカードベルやeMachinesに採用されました。
一方で、もともとテキサスインスツルメント出身の技術者で構成されていたためか、テキサスインスツルメントと長い間トラブルを抱えていたようです。
インテルと著作権上のトラブルを抱えていた以外に、低価格路線の市場ではアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とも競合したことから、サイリックスは長い間企業として存続することはありませんでした。
サイリックスは1997年にナショナルセミコンダクターに吸収されました。
ネクスト・ソフトウェア (NeXT, Inc.、Next Computer, Inc.、Next Software, Inc.)
ネクストは、アップルを辞めたスティーブジョブズが1985年に創設しました。
ネクストキューブというハードウェアと、GUIに優れたネクストステップ(NextStep)というOSを開発していました。
その後、ネクストソフトウェアは1997年にアップルに買収されました。
商業的には成功しなかったネクストですが、NextStepはUNIXを源流に持ち、また、現在まで続くMacOS Xの源流でもあります。
また、ネクストは、OPENSTEPというAPIや、世界初の企業向けWebアプリケーションフレームワークWebObjectsの開発でも知られています。
意外に知られていませんが、世界最初のWEBサーバーは、NEXTの上で作られました。
詳細は以下にまとめました。
ネットスケープコミュニケーションズ (Netscape Communications)
ネットスケープコミュニケーションズは1994年、ジム・クラークとマーク・アンドリーセンらによって創設されました。
ジム・クラークはシリコングラフィクスの創業者としても知られています。
マーク・アンドリーセンは、イリノイ大学内のNCSA在籍中に、ウェブブラウザ Mosaic を開発したことでも知られています。
ネットスケープコミュニケーションズのネットスケープナビゲーターというWEBブラウザは、1994年当時、市場シェア80%を超えるデファクトスタンダードのブラウザとなり、ネットスケープ自身も1995年にNASDAQに上場しました。
その後、ネットスケープは、いわゆる第一次ブラウザ戦争でマイクロソフトのインターネットエクスプローラーに敗れ、経営が傾いていきます。
ネットスケープコミュニケーションズは、1998年にアメリカンオンライン(AOL)に買収されました。
商業的には成功しなかったネットスケープですが、その後のWEBの世界に影響する数々の功績を残しています。
例えば、ブラウザ上で動作するプログラミング言語であるJavaScript、RDF/RSS、 SSL といった根幹技術を生み出しています。
また、オープンソースで公開されたネットスケープナビゲーターは、その後、Firefoxへと引き継がれていきます。
ディジタル・イクイップメント・コーポレーション (Digital Equipment Corporation))
DECは、歴史が古く1957年にケン・オルセンによって創業された会社です。
PDPシリーズでミニコンという分野を開拓し、1970年代から1980年代の初頭はIBMに次ぐ、世界第2位のコンピューターメーカーでした。
VAXや、Alphaと呼ばれるプロセッサを開発し、ハードウェアからOSまで製造していました。
著名人ではWindows NTを開発したデヴィッド・カトラーも輩出しています。
DECは、パソコン業界にも大きな影響を与えましたが、ミニコン市場は1990年代後半、安価で高性能なUNIXサーバーに浸食され、経営は大きく傾きます。
結果として1998年、当時世界最大のパソコンメーカーであったコンパックに買収されました。
コンパック・コンピューター (Compaq Computer)
コンパックは1982年に創設されたパソコンメーカーです。
IBM PC/AT互換のパソコンを製造し、1990年代には世界最大のパソコンメーカーとなりました。
1998年には、当時会長だったエッカード・ファイファーは、IBMやHP(ヒューレット・パッカード)のような総合ITベンダーをめざしDECを買収しました。
その後、会長になったマイケル・カペラス時代には、インターネットの波について行けず、業績は低迷しました。
そしてコンパックは、2002年に242億ドルでヒューレット・パッカードに買収されました。
ただ、当時、創業家のウォルター・ヒューレットも含めてヒューレット・パッカード内ではコンパックの買収には反対意見が多かったようです。
パソコンの利益率が低迷している時代に、パソコンメーカーを買収することは自殺行為と考えたのです。
実際のところ、コンパックの買収は成功とは言い難く、当時のヒューレット・パッカードの女性会長だったカーリー・フィオリーナは2005年には解任されました。
IBMの元会長ルイス・ガースナーの著書「巨像も踊る」によると、コンパックの身売り話はIBMにもあったようです。
ただ、既にパソコン事業が重荷になっていたIBMが手を出すことはありませんでした。
シーベルシステムズ (Siebel CRM Systems)
米シーベルは1993年に創設されたCRM (Customer Relationship Management) ソリューションに特化したソフトウェア企業でした。
シーベルは、2002年当初、CRM分野で45%のマーケットシェアを握る会社でした。
シーベルと言う会社名は、社長であるトムシーベル (Thomas Siebel) にちなむものです。
日本の会社なら、会社名に社長の名前を付けることも見かけますが、アメリカのハイテク企業で自身の名前を付けるのは少し奇妙な印象を受けますね。
シーベルは2005年に米オラクルに58億ドルで買収されました。
その後、シーベルのソフトウェア群はOracleに統合され、Oracle Siebelという名称になっています。
ピープルソフト (PeopleSoft, Inc.)
ピープルソフトは、1987年に米国で創設された、HRMS (人事管理システム)、CRM (顧客関係管理)、製造、財務、EPM (企業パフォーマンス管理) に特化したソフトウェア企業でした。
2003年には同業種で、ライバル企業であったJD Edwardsを友好的に買収しました。
ピープルソフトは2005年、米オラクルに103億ドルで買収されました。
サン・マイクロシステムズ (Sun Microsystems)
サン・マイクロシステムズは、1982年にアンディ・ベクトルシャイム、ビル・ジョイ、スコット・マクネリ、ビノッド・コースラによって創設されました。
サン・マイクロシステムズは、1990年代、ワークステーションの分野ではデファクトスタンダードと言えるブランドでした。
RISCプロセッサであるSPARC、ソラリス(Solaris, 元々はSunOS)というUNIX OS、Network File System(NFS)、プログラミング言語であるJavaの開発などで特に顕著な業績を残しており、技術力に定評のある会社でした。
また、2008年にはデータベース会社であるMySQL ABを買収し、MySQLも手に入れました。
「The Network Is The Computer」という商標も持っています
(https://docs.oracle.com/javase/jp/1.4/guide/versioning/spec/SMICopyright.html)。
サン・マイクロシステムズは、技術をオープンにする会社であったためか、2005年以降、Linuxサーバーとの競争が顕著になり業績は悪化しました。
商用のOSであるSolarisは、オープンであるLinuxに対して優位性がなく、また、オープンで大成功したJavaも商業的に利益を上げるのは難しかったのではないでしょうか。
そして、2010年、オラクルに74億ドルで買収されました。
シリコングラフィックス (SGI、Silicon Graphics)
シリコングラフィックスコンピューター(後にSGIという社名に変更)は、1982年にジム・クラークによって創設されました。
3Dグラフィックスの分野では特に強く、IRISというワークステーションを発売していました。
1992年にCPUメーカーであるミップス・テクノロジーズ(MIPS Technologies)を買収し、1996年にはスーパーコンピューターメーカーであるクレイ・リサーチ社を買収しました。
また、OpenGLというグラフィック業界ではデファクトスタンダードとなるAPIを開発しました。
1991年公開の映画「ターミネーター2」や1993年公開の「ジュラシックパーク」などはSGIの技術協力のおかげと言われています
(https://www.sgi.com/company_info/overview.html)。
ターミネーター2については以下もご覧ください。
そんなSGIでしたが、2000年以降、安価で高速なパソコンが普及すると自社ブランドのワークステーションの優位性が崩れ、徐々に会社が傾いていきます。
そして、2006年と2009年の2回、Chapter 11という連邦倒産法第11章を提出して倒産します。
日本人には、2回倒産するということ自体が理解に苦しむ現象ですが、アメリカのChapter 11というのはそういうものなんでしょう。
そして、SGIは2016年、ヒューレットパッカードエンタープライズ(Hewlett Packard Enterprise)に2億7500万ドル(280億円) で買収されました。
2回倒産して、なおも買収されるとは、日本人の感覚では全く理解できませんね。
トランスメタ (Transmeta)
トランスメタは1995年に創設されたCPUプロセッサメーカーです。
VLIW(Very Long Instruction Word)を使い、低消費電力のCPUを製造していました。
Crusoe、Efficeonなどの製品を出荷しており、2000年ごろはノートパソコンで革命を起こすと言われていたこともありました。
また、Linuxの開発者であるリーナス・トーバルズ(Linus Torvalds)など著名人を雇用していたことでも有名です。
トランスメタはドットコムバブル時代の2000年にはNASDAQに上場しましたが、製品のリリースが遅れたことや、インテルとの訴訟で市場での競争力はなくなっていきます。
特に2003年以降、省電力市場でもインテル、AMDが同様の製品をリリースこともあり、ほぼ市場価値はなくなっていきます。
トランスメタは2008年、ビデオプロセッサを手掛けるNovaforaによる買収されました。
なお、Novafora自身も2009年に倒産しました。
パーム (Palm, Inc.)
パームは1992年にジェフ・ホーキンスによって創設されました。
携帯情報端末(PDA)という分野を開拓し、ハードウェアとしてのPalm、OSとしてのPalm OSを開発していました。
日本ではシャープのザウルスというPDAがありましたが、一方、世界に目を向けると、1990年代の後半、パームはアップルのニュートンなどを抑えてデファクトスタンダートと言えるPDAでした。
パームは2001年にBe社のBeOSを買収しました。
その後、パームはパソコンの小型化とともに売り上げは減少し、スマホの出現と共に市場での競争力はなくなりました。
OS部門であったPalm OSは2005年に日本のACCESSに買収されました。
パーム本体は、2010年にヒューレットパッカードに買収されました。
モトローラ (Motorola)
モトローラは1928年創業の米国の電子・通信機器メーカーです。
かつては、半導体で 初の32ビットMPU "MC68000" を発売したりして、インテルとも競合することがありました。
イリジウムを使って全地球をカバーする衛星通信ネットワークを構築したりもしました。
そんなモトローラですが、現在は、モトローラ・ソリューションズとモトローラ・モビリティへ分割されてたようです。
モトローラ・ソリューションズは、官公庁や公衆安全に関する製品・サービスを提供しています。
モトローラ・モボリティは現在はレノボの傘下にあります。
そんなモトローラ・モボリティが日本でも発売しているスマホが、Moto G3rdです。
パッカードベル (Packard Bell)
パッカードベルは、1986年創業の米国のパソコンメーカーです。
パッカードベルという名称から、ヒューレットパッカードや、パシフィックベル、あるいはデルの関連企業との誤解を受けることがありましたが、全くの別企業です。というか別企業でした。
パッカードベルは、1990年代の前半、米国ではIBMやコンパックと並ぶパソコンメーカーでした。
日本市場への参入はNECが資本参加して、パッカードベルNECという会社でIBM PC/AT互換機のパソコンの売っていましたが、ほとんど知名度は得られませんでした。
その後、2007年、デルやゲートウェイとの競合でパッカードベルの業績は悪化し、台湾のパソコンメーカーであるエイサーに売却されました。
ゲートウェイ (Gateway)
ゲートウェイは、1985年創業の米国のパソコンメーカーです。
1995年、日本進出にも成功し牛のロゴで日本でも一定の認知を得ました。
2000年ごろから業績が悪化し、2001年日本からも撤退しました。
2007年、パッカードベルと同様に台湾のパソコンメーカーであるエイサーに売却されました。
ボーランド (Borland)
ボーランド(Borland International)は、1983年フランス人、フィリップ・カーンによって設立されました。
1980年代から1990年代にかけて、後にマイクロソフトに移るアンダース・ヘルスバーグを擁するボーランドは、開発ツールメーカーとしてはデファクトスタンダードといえる製品群を発表しています。
アンダース・ヘルスバーグは、今となっては、.Net Framework、C#、TypeScriptの開発者として有名ですね。
以下も参照。
ボーランドの代表的な製品群である Turbo Pascal、Borland C++、Delphi は、1980年代から1990年代の後半まで、マイクロソフトのQuick CやVisual C/C++よりも人気がありました。
Delphi、Pascalについては、以下も参照。
また、個人向けではdBASEというデータベース、Quattro Pro (クアトロプロ) という表計算ソフトも発表しています。
Quattro Proについては以下も参照。
1990年代の後半には、アンダース・ヘルスバーグを始め多くのボーランドの技術者はマイクロソフトに引き抜かれ、長い間、マイクロソフトと法廷闘争を繰り広げます。
その後、ボーランドは、インプライズ に社名を変え、Linux分野ではKylix (カイリックス)、Java の開発ツールとしてはJBuilder を発表しました。
その後、さらに社名をインプライズから、ボーランド・ソフトウェア・コーポレーション(Borland Software Corporation) し、2000年代の後半には、いわゆる開発者用ツール (IDE) ではなくて、ALM (Application Lifecycle Management) という開発プロセス全体をカバーする製品群を買収して販売するようになりました。
そして、2009年、ボーランドはマイクロフォーカスに7500万ドルで買収されました。
マイクロフォーカスは、COBOLの開発ツールを中心としたイギリスのソフトウェア会社です。
ノベル (Novell)
ノベルは、1979年創業の米国のソフトウェア企業です。
ノベルは、LAN (Local Area Network) の技術革新に特に貢献した企業で、ノベルが開発したNetWare というネットワークOSは、サーバーOSとしては、1980年代の後半から1990年代にかけてのWindows NTやLinux普及以前、AIXやHP UX、SunOSなどプロプライエタリなUNIXよりも人気がありました。
1991年にはCP/Mで有名はデジタルリサーチを買収します。
1990年代中盤になり、Windows 95が普及するようになると、当時ノベルのCEOであったレイ・ノーダは、マイクロソフトに対抗すべくデスクトップアプリケーションに手を出すようになります。
当時は、Word、Excelを擁するマイクロソフト、WordPro、Lotus 1-2-3を擁するロータスが共にいわゆるオフィススィート製品を発売していました。
レイ・ノーダは、DOS時代はNo.1のワープロソフトであるWordPerfect (ワードパーフェクト)、そして、ボーランドのQuattro Pro (クアトロプロ) を買収し、マイクロソフトと対抗しようとします。
デスクトップアプリケーションについては以下も参照。
しかし、この時代の多くのIT企業がマイクロソフトに敗れ去ったように、デスクトップアプリケーションの分野でノベルが成果を上げることはありませんでした。
そして、1997年には、後にGoogleのCEOとなる、あのエリック・シュミットがCEOとなりました。
2003年には、Linux分野に活路を見出そうと、Linuxのディストリビューションの一つであるSUSEを買収しました。
2010年、ノベルは最終的にAttachmateによって買収され、さらにAttachmateは2014年、イギリスのマイクロフォーカス社に買収されました。
まとめ
いやぁIT企業の栄枯盛衰は激しくて面白いね。。
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