RISC-V についてまとめてみた。
RISC-Vとは
RISC-V とは、2010年にカリフォルニア大学バークレー校で開発が開始されたオープン標準の命令セットアーキテクチャー(ISA) で、確立されたRISCアーキテクチャーに基づいています。
Intelのx86/x64系やArm系と異なり、ロイヤリティや使用料がかからないオープンソースで提供されています。
近年RISC-V準拠CPUコアや開発環境などが活発に開発され広がりを見せており、今後普及が進むと予想されているアーキテクチャの1つです。
RISC-V の読み方は、リスクファイブです。
オープンソースなRISC-Vの命令セットを使ってCPUやSoC、FPGAを実装することが可能です。
RISC-Vの公式サイトはコチラです。
RISC-V日本語サイト
RISC-VのGitHubリポジトリはコチラです。
RISCとCISCの違い
ここで説明した通り
・https://urashita.com/archives/12325
RISC(Reduced Instruction Set Computer) とは、コンピュータの命令セットアーキテクチャ(ISA)の設計手法の一つで、命令の種類を減らし、回路を単純化して演算速度の向上を図るものです。
RISCの代表例はARMです。
ARMアーキテクチャーに基づき設計されたプロセッサは、Apple、ファーウェイ、サムスン電子などを含むほぼ全ての携帯電話メーカーで採用されています。
RISCが提唱されたときに、従来の設計手法に基づくアーキテクチャは対義語としてCISC(Complex Instruction Set Computer)と呼ばれるようになりました。
CICSの代表例はIntelのCore iシリーズです。
RISC-VとARMの比較、違い
同じRISCアーキテクチャーのRISC-VとARMはどう違うのでしょうか?
1つ目の違いは、RISC-Vはオープンソースであるのに対して、ARMはプロプライエタリです。
つまり、RISC-Vにロイヤリティ、利用料が発生しないのに対して、ARMではロイヤリティ、利用料が発生します。
2つ目の違いは、サポートです。
RISC-Vは新しいプラットフォームでサポートはほとんどありません。
一方で、ARMは長い歴史があり大きなコミュニティとサポートがあります。
3つ目の違いは、ARMがプロプライエタリゆえ、輸出に対して政府の制約が発生します。
例えば、アメリカは中国企業にはARMを使用させたくないようです。
このため中国企業はRISC-Vに目を向けているようです。
RISC-VのAndroid、Windows、Linux
現時点でRISC-VアーキテクチャーのCPUで動作するAndroid、Windowsはないようです。
一方で、RISC-VでLinuxが動くことを謳っているのがBeaglVです。
・https://beagleboard.org/static/beagleV/beagleV.html
RISC-V 入門
RISC-Vの日本語の入門書はいくつかすでにあります。
↓RISC-VとChiselで学ぶ はじめてのCPU自作 ――オープンソース命令セットによるカスタムCPU実装への第一歩
↓プログラマのためのFPGAによるRISC-Vマイコンの作り方
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